八月某日 document.1
「大阪遠征其の弐〜電気街の悪夢編〜」
【↑なんだここは…】
コバ・ジュンです。
前回までのあらすじ
「新幹線で大阪へと旅立ったコバ・ジュン。隕石が落ちてきたり、キスを見せつけられたり、黒医師ギルドの攻撃を受けるも、何とか新大阪駅到着。しかし車内から続く気分の悪さが、暑さと湿度で増幅される…ッ!」
堺筋線「恵美須町」の駅を降りて地上へ出ます。関西の方はご存知かもしれませんが、ここは日本橋(にっぽんばし)のど真ん中。日本橋と言えば「西のアキバ」とも言われる様に電気街の街なのであります。道筋が縦横整然と整備されているため、アキバほどごちゃごちゃした感じもなく、今自分が何処を歩いているのかがとても解りやすいのです。京都もそうですよね。「京」ならではの碁盤の目の如くきっちりと整備された街並み。
それに引き換え東京はというと、かの東照大権現徳川家康が「城攻められたらやばくね?」と思っちゃって、城を守りやすい様「環状線型」に街道を作ってしまい、もう解りにくいったらありゃしないし、それにより現代では交通渋滞まで巻き起る始末。でも渋滞が起こるイコール、「攻めにくい都市」の建設には成功したわけで、「さすがは家康!」と、なるかバカヤロー!東京メトロに乗る、地方の皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。
余談が長くなりました。で、恵美須町駅から劇場までは徒歩1分。「日本橋インディペンデントシアター1st」という小屋。もちろん行った事のない場所なので、雰囲気がまったく分からず、SNSで「どんな小屋?どなたか知ってる方HELP!」と聞いたところ、今は京都で俳優として活躍している劇団時代の後輩「Iくん」から返信がありまして「シモキタのOFFOFFみたいな感じですよー」とのこと。なるほど、ということは中野MOMOよりタッパもないし、より濃密な空間というわけだな?楽しみ楽しみ。
それより、だ。
具合が悪いのです。胃がムカムカとし、頭はクラクラ、多量に流れ出る汗は、暑いからなのか、体調不良による冷や汗なのか、はらはらなのか、くそう、今からずっと楽しみにしていた舞台を観るのに、なぜこんなにも体調悪いのだ(それは昨晩飲み過ぎたから)。
ちなみにですが、新大阪駅のコンビニで「液体胃腸薬」を一本飲み、さらには日本橋に着いてからもコンビニで同じ様な胃腸薬を一本空けています。生薬配合、頑張ってくれ!俺の胃壁!
開演までの一時間、とりあえずどこかで涼もうと、目に入った喫茶店に入ることにします。タバコも吸いたかったし。
こんな状態でカフェインを飲んだら、さらに悪くなってしまうことが明らかだったため、「ととと豆乳ラテください」と、体に優しそうな飲み物を注文します。噛んでしまったのは、普段そんなの飲まねーからだよ!(笑)「M/L」も何て表現して良いか分からなくて「小さい方」と頼んだよ!
開場時間が近付き、喫茶店をあとにした僕は、一路劇場へと向かいます。すれ違う人の口から聞こえてくるのは「おお!本場の関西弁!」ではまったくなくて、中国語ばかりでした。ホント笑っちゃうほどに。現在、東京の銀座でも同じ様な現象が起こっていますが、あまりのことに「日本、大丈夫か?」と真剣に考えてしまいました。
無事に劇場前に着きます。着きます…。
え。
なんだここは。
スラム街か。yo,yo,yo,hey,menか。電気街から一歩裏通りへ足を運んだボクを待っていたのは、首からチェーンを巻いてズボッとした服を着たイカつい若者が「yo,yo,yo,嫁、Hola,Hola,嫁,フマキラーついてるよ?」とでも絡まれそうな所なのでした。
(つづく) |