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documentary 2017.08.(最上部ガ最新。下カラ順ニドウゾ)

ontology.318(ハヅキ二週目)


八月某日 document.13

「書けない」



【↑電気代下がったぞ。なぜだ?】

コバ・ジュンです。

ある内容の日記を書こうと思っているのですが、なぜか筆が進まない。

重過ぎて。良い意味で。

感想だけ綴っても面白いものにはならないし、といってストーリーを説明しても仕方ない。
そう、『先日見たあの芝居』をどうやって伝えようか。

伝える必要はないのかもしれない。実際に見た人だけが何かを感じたら良いのかもしれない。


でも

「こんな素晴らしい芝居が上演された」

ということだけは何とか記していきたい。


心の整理がつくまでもう少し待ってください。


ではまた。


八月某日 document.12

「ジプシー音楽の夕べ」



【↑楽しい音、詰め込んで】

コバ・ジュンです。

本日は予定をひとつ飛ばして、先日土曜の夜に行ったライブの感想をば。

中野での観劇を終えたあと渋谷に移動し、開場時間ギリギリに道玄坂上に位置する「サラヴァ東京」に到着しました。



目的は、ここにて行われる「GYPSY VAGABONZ(ジプシーヴァガボンズ。以下ジプヴァガ)」のライブ。「ジプヴァガ」は、ジプシースウィングジャズを基盤とした四人編成のバンドです。今回はVo.秀子さんのBirthday&ジプヴァガ結成12周年記念と銘打たれた公演でした。



秀子さんは「女だらけのトロピカルジャズビッグバンド『たをやめオルケスタ』」でのVo.も務め、ボクはそこ繋がりで興味を持ち、youtubeなどでジプヴァガの動画を観てみたら、まぁなんと素敵な音楽じゃないのさ。
ウン十年前、知り合いにある音楽を聞かせた際、「ジャンゴ・ラインハルトに似てるな」と言われ、その後特に気にかけてなかったのですが、巡り巡って40代も半ばにさしかかった頃、ようやくそのジャンゴが創始者であるジプシースウィングに辿り着いたという経緯です。


Vo.&Fl.の秀子さん



Gt.&アレンジ、そしてリーダーでもある大西孝旺さんとゲストギターのしーさとさん



Cb.の渡部拓実さん、Vn.の田中雄一さん



ゲストPf.の菊池麻由さん



ゲストダンサーの柏崎絵美子さん



ゲスト、ヒューマンビートボックスのM-OTOさん




この8人が織りなす音楽…、いや「ショウ」ですね。それがもう楽し過ぎて素敵過ぎて。語彙が少なくて申し訳ないのですが、知らぬうちに体が前後左右にリズムを刻み、耳に入るその全てが心に響き。「あ、俺はやはり前世は東欧あたりの人だ」と毎回するバカ話をまた思い出し…。ジャズコードっていうのかな?その響きがたまらなく好きなボクにとって、至福、幸福、盆と正月(笑)が一気に雪崩れかかって来た様でした。

書き忘れましたが、そんな音楽を最前列どセンちょい下手寄りで堪能出来まして、秀子さんにも「汚れた魔女」の際に「♪好きよ好きよ好きよ好きよ好きよ」と絡んでもらえるなど、心に残るライブとなりました。

4月から練習を始めたという秀子さんのギター。え!?たった4ヶ月でこんなに弾けるの!?20年以上ギターやってるボクはどうしたら良いのでしょうか(笑)



終演後、ふわふわとした気分のまま道玄坂を下り、目に入った飲み屋で大生をゴクゴク。

『楽しいことは君と感じて毎日を輝かせる 哀しいときも笑顔になれる音楽がここにあるから』

良い詩だ。嫌なこといっぱいあるよ。でも楽しい時を君と過ごし、例えケンカをして少し悲しくなったとしても、大好きな音楽を聴けばボクらは元通りの大好き同士になれる。だってお互いに本当に好きなんだもの。

『君と一緒なら どこへでも行ける』

そう、楽しい音詰め込んで、ね。




ではまた。

GYPSY VAGABONZ「ヴァガゴロジー」PV


八月某日 document.11

「猛毒展痛(もうどくてん、つー)」



【↑毒々しいねえ!最高!】

コバ・ジュンです。

先日、池袋はサンシャインシティで行われている「猛毒展痛(もうどくてん、つー)」に出かけてきました。

これは、「自然界で毒を持つ生物」を生きたまま観られる展示会であり、2014年に行われた第一回目では20万人もの来場者を集めた人気企画だそう。それが三年の時を経てまたここに帰ってきた!となれば、前回行けなかったボクとしては行くしかありませんですよええ。

池袋駅からてくてく歩き、サンシャインシティ着。ふう、ぶり返した夏の暑さにこの距離は堪えるぜ…、なんて思うも束の間、展示が開かれているサンシャイン水族館はここよりさらに奥深いのですね。これ絶対最寄駅「池袋」ちゃうやろ(それに関しては後述)。しばらく行くと、ようやく水族館に上がるためのエレベーターが見えてきました。で、それがまた思い切り長い列を作っていてさ。夏休みも終わりに近いことからの駆け込み需要か?ド平日なのに〜。

水族館フロア着。周りの人が一斉に水族館入り口へと向かう中、ボクはそのコースを外れ脇へ。すると、見えてきた見えてきた!パープルを基調とした何だか怪しいブースが!
さてこの「猛毒展痛」。水族館チケットを持っていれば割引価格で入れるのですが、それがなくても\600を払えば観覧可能です。天空のペンギン?知らん知らん。ワシゃ毒々しく禍々しい生き物を見たいんじゃ。



入り口をくぐると、なんだかアンビエントな音楽がかかっています。ロスコも焚かれ、人骨や怪しい薬瓶のディスプレイがあったりと、マッドサイエンティストな雰囲気満載。

まず迎えてくれるのは、エイの仲間「ポルカドットスティングレイ」。黒地に白い水玉を博した綺麗なデザインではあるのですが、毒レベルは「4」。あ、この毒レベルというのは、展示されている生き物すべてに表示されているものでして、簡単に言うと以下のようになります。

レベル5:死
レベル4:重症
レベル3:診察または安静
レベル2:患部の腫れ
レベル1:痛みなど
いきなりド頭から「4」です。エイって裏側から見るととても可愛いのに、案外強烈な毒を持っていたりするものなのです。飲み屋でエイヒレを頼む際は命の危険を感じてくださいませ(嘘。体内に毒はないです。あるのは尾にある棘)



次に展示されていたのが「チョウセンスズガエル」。カエルです。毒レベルは「不明」。不明?どうやら毒性を調査したことがないらしく、といってカエルなので、両生類にありがちな「表皮に毒があり、それを触った手で目をこすったり舐めたりは危険」というレベルだと思われます。それよりなにより驚いたのは、ボク、このカエルを飼ってました。小学生の3~6年くらいまでの長期間。近所のスーパーで\300で買ったのです。当時は毒があるなど微塵にも思わず、「可愛いなあ〜」と頬ずりしたりしていました。無知って恐ろしい…。

毒生物の展示は続きます。多足類(ムカデ、ヤスデ、クモなど)、魚、哺乳類、爬虫類、両生類、クラゲ等々…。割とそのどれもが「レベル5」だったりして、身近なところに「死」があるのだなあと驚愕。

面白いと思ったのは、生まれた時は毒を持っていなくとも、餌とする対象に毒があった場合、なぜかその毒を自分の攻撃材料として取得してしまう生物がいること。有名どころでは「ヤマカガシ」がそうですね。生まれた時は毒がないのです。でも餌となるヒキガエル、彼らは表皮に毒を持っているのですが、それを捕食することにより、自分の体内で攻撃用の毒として蓄積していくという、「何それ」システム。そして自然界には案外こういった特性を持った生物が意外と多いのです。有名なところでは「フグ」がそうですよね。天然ものには死に至らしめる毒があるのに、養殖では毒を持たないのです。すべては餌、エサ、つまり食べ物の影響みたいですよ。

展示を見ていくと、毒を受けた場合の症状に「血が止まらない」というものが多く見受けられます。俗に言う「出血毒」というものなのですが、すげーいやだ(笑)いや、そりゃ即死だったりそういうのよりはマシなわけですが、割とこれがその辺りにいそうな生物がお持ちになっていらして。


ファイヤーサラマンダー



可愛い色合いなのに、秒速3mという速さで毒を噴射する憎いヤツ。


オニダルマオコゼ



踏むと死に至るので、ダイビングの時は気をつけてね。


この他にも、めちゃでかいアリ(パラポネラ)やタランチュラが展示されていましたが、中でも驚いたのは「ツムギハゼ」というハゼの仲間。見た目、どう見ても隅田川あたりで釣れちゃいそうな外見をしているんです。衣をつけてカラッと天ぷらで揚げてビールを一杯、といきたいところですが、体内にフグと同じ「テトロドトキシン」を含んでますので、死にます。屋形船が幽霊船にならぬよう気を付けましょう。まぁ言うてね、こんなハゼ、日本にはいねえだろう

「和歌山県〜屋久島、八丈島、琉球列島西に生息している」

いるのかよ!!南に旅の予定がある方はお気をつけを…


展示も終わりに近づきます。「スカンクの刺激臭体験!」なるコーナーもあったのですが、さすがに無理(笑)臭いには人一倍弱いものでして…(自分は加齢臭撒き散らしているくせに)

おなじみの「アカエイ」もいました。そう、その辺にいるやつですね。東京湾でもどこでも、普通に海岸にいたりします。よく聞く話として、ウェーダーを着込み水の中に立ち入って釣りをする人たちが、思わず彼らを踏んづけてしまい、その尾にある棘で足に強烈な一撃を喰らうという。驚いたのが、アカエイもなんとレベル5。死に至ります。ご注意あれ。


そんなこんなで見終わります。流し見をしてしまえば5分程度で終わってしまう小さな展示ですが、ひとつひとつ興味を持ちながらじっくりと見ていけば、1時間くらいはすぐに経ってしまいます。彼らはなぜそこまで強い毒を持たねばならなかったのか、己がその毒を持つ意味を知っているのか、同じような種類でも、毒を持つ個体とそうでない個体に分岐して行ったのは何故か…等々、進化論は是か否か、とかそんな話にまで発展してしまうほどで、進化論も確かにあるだろうけど、創造論、ID論があっても良いよなあと思ったそんな夏の終わりも近い日の出来事でありました。


この後は中野に移動予定でしたが、またここからJR池袋駅まで戻るのはめんどいなあ…などと考えていたら目に入ってきたのは「有楽町線東池袋駅↑」の表示。なんだよ、やはり最寄駅はこちらやんか。暑い暑い外を歩いてきた行きとはまるで違う地下道を通り抜けながら無事に東池袋着。そこから中野へと向かったのでした。


ではまた。


八月某日 document.10

「終わらないぜ、まだ夏は」



【↑ほっとけメソッド】

コバ・ジュンです。

今朝方家に帰り着くと、玄関前の睡蓮鉢が目に入りました。



うわぁお。

浮き草がとんでもないことになっている。

現在はメダカもヌマエビもいないはずなので、これだけ生やらかしても大丈夫だとは思うのですが(植物が多過ぎると水の中が酸欠状態になります)、さすがにこれは見栄えが悪い。鉢を導入時は、かなり気を使って手入れしていたのですが、ある年に大雪が降り、中の生物が全滅してからはもう完全なる「ほっとけメソッド」に。

それでもこうして睡蓮は毎年の様に葉を広げてくれるし、時には綺麗な花まで咲かせてくれます。

自然の力って凄いなあと改めて。

さて、本日からまたあの猛暑がぶり返す様ですよ。熱中症には十分注意して過ごしましょう。コバ・ジュンは夕方から夜にかけて素敵な時間を過ごす予定ですので、倒れてなんていられないのだ。楽しみ〜♪


ではまた。


八月某日 document.9

「すみだジャズ!ジャズ!ジャズ!」



【↑戦利品】

コバ・ジュンです。

先週の土曜日、墨田区は錦糸公園を中心としたイベント「すみだジャズフェスティバル2017」に行ってきました。街を歩けばそこかしこからリズム、金管の音がバンバン聴こえてくるという、夢の様なイベント。昨年に引き続き今年も参戦であります。



早速ビールを空けます。



スカイツリー撮影のベストポジションを発見。

今回のすみだジャズは、見たいアーティストが割と日曜日に偏ってしまった事もあり、しかし日曜日は行けず。なので土曜日にすべてを賭ける体制となりました。15時少し前にJR錦糸町駅着。錦糸公園に向かおうとするも、いきなり仲間に拉致られ(笑)、すみだパークスタジオまで移動となりました。天気はピーカン。強い日差しが顔と首筋にヒリヒリと突き刺さります。

程なくして、すみだパークスタジオ着。さて、ここで17時からのお目当てである「たをやめオルケスタ」の演奏を待とうと思ったのですが、なんたって屋内、調べたところによると席数は170席弱。2時間前だというのにロビーはごった返していました。うはあ、これはもしかしたら観られないかも。でもとりあえず並んではおきます。昨年は錦糸公園のメインステージで演奏し、3~400位のお客さんを集めていた「たをやめ」ちゃん。やっぱり室内じゃ狭過ぎるよ…。

16時から演奏の「バンバンバザール」さんの入場が始まります。退場するお客様に合わせ、僕らも入場してみたのですが、すでに座席は満杯。ようやく上手袖の位置を確保出来ましたが、物凄い人いきれで、その場にいるのすらキツい状態。こういう場所が苦手な僕はすぐにでも逃げ出したい状況ではありましたが、その際運営から「バンバンバザールさんとたをやめオルケスタさんで、完全入れ替え制にします」との嬉しいお言葉。そりゃそうだ。その言葉を信じて即屋外に出、ぽや〜んと出来ている「たをやめ列」に並ぶことにしました。

しかし外にいるスタッフにはそのことが伝わってなかったらしく、いきりたった客が少々モメる場面がちらほらと。いやいや、そこはケンカ腰でいくのは間違いでしょう。なぜこういった場面で冷静にお話し出来ないかなと。むしろ「観られないならそれはそれで残念」という思考に何故ならないのかなと。さらに「すみだジャズ」のスタッフの皆さんはボランティアなのですから、攻める方が間違い。いい年をしたオジサンが口角泡を飛ばして「どうなってんだ!?」とかは本当に見苦しかったです。残念。

16時を回った頃、スカイツリーのてっぺん辺りには濃い雲がかかり、風も、湿気を強く帯びたものになってまいります。正に「雨風」。これから「じゃかじゃか降るよー」的な空気。で、やはり降ってまいりました。折り畳み傘を持っていたので、心配はしていなかったのですが、これ以上雨脚が強くなると足元から何からぐしょ濡れになってしまい、ライブに集中出来なくなってしまう〜、思ったのも束の間、入れ替え制の入場が始まってくれました。他現場からタクシーで駆けつけるVo.の秀子さん、待機列にチラシを配る、たをやメイツの皆さん。待っている皆を飽きさせない嬉しい演出♪

入場が始まり、良い席を確保出来ました。普段は舞台で使われている場所らしく、とても良い小屋。間口、タッパも申し分ない。倉庫という名の稽古場も隣接していて、小劇場界隈には嬉しい環境ですね。

SC終わりでいよいよ「たをやめオルケスタ」の演奏が始まります。いつものメンバーがいつもの様に素晴らしい、女性ならではの格好いいビッグバンドジャズの響きをこれでもか!と届けてくれました。



Newアルバム「MAJOR DEBUT」からの楽曲を中心に、40分という短い時間で、いや、結構オーバーしてた気もしますが(笑、トリだったので)、存分に、存分に楽しませてくれました。並んでいる際「無料で40分観られるよりは、お金払って2時間の方がいい」なんて話を仲間としてましたが、なんのなんの、大満足のステージでした。メンバーそれぞれが本当に楽しそうに、来てくれたお客さんにしっかり届く様、素晴らし過ぎる演奏を繰り広げてくれます。

「たをやめオルケスタ」の好きなところとして筆頭に挙げられるのは、「楽しそうな演奏」なのです。ビッグバンド編成故、メンバーの多くは吹奏楽器なのでそれを吹いている時は真剣な表情なのですが、自分のパートでない時のメンバーは、始終笑顔なんですよね。そしてソロパートを盛り上げるため、そちらに注目がいくような動き(ダンス)をしてくれて、分かりやすさの上のさらに分かりやすさというか。18人全員が全員同じ「素敵な」方向に向かい演奏してくれていて、それを受け取った観客との共犯関係とでもいいましょうか。もう楽しさしかない。



アンコールもありのステージ。「終演時間ですが、一曲だけアンコールを…」という運営に大拍手。そこからの「素敵なおんがく」。盛り上がりまくりです。ひとつだけ残念だったのは、開演前に運営から「写真撮影は禁止ですが、撮影タイムを設けます」との時が、この最後の曲だったこと。出来たらこの曲はゆっくりと聴いていたかったです。

終演後、錦糸町界隈で飲みまくりベロベロになりまくり横須賀線で帰ったはいいものの、なぜかすでに終電らしくて最寄駅に着いたら終バスもなくて、気付いたら家で着の身着のまま寝てました。起きたら次の日の出勤時間でねえ(笑)そのくらい楽しくてはしゃいだ「すみだジャズ」でした。

地域密着のこういう楽しいイベント、これからもずっとずっと続いて欲しい。街全体がジャズに溢れるとか、誰が考えたんだ〜。ホント最高。来年も、そしてこの先もずっと楽しみにしています。



ではまた。


八月某日 document.8

「男の戰い」



【↑ロマンティック破れモード】

コバ・ジュンです。

先日、「世を忍ぶ仮の仕事」で履いているズボンのお尻が大きく破けてしまいました。とてもじゃないですが、そのままじゃ帰れないくらいに(仕事場で着替えるのが面倒くさいため、ズボンは家から履いていってます)。

さてどうしたものか。同僚から「今着てる上着を腰に巻いて帰れば良いんじゃない?そうすればケツは隠せる」とのお言葉。わーお、「ビバ白」か。青春白書か俺は。ネルシャツ腰に巻き巻きー。さらに星条旗に誓うのか何かを。とか思いつつ、まぁそれが最良なので、素直に従うことにしました。さすがにここまでパンツ丸見えだと、セクハラで訴えられそうな気もしましたので。こういう時に限って、シアンのめっちゃ目立つパンツ履いてたりするんだよなあ。

「この変態野郎!罰として俺のマグナムを喰らいやがれ!(むっふふ)」とか言われることもなく、無事帰宅。ズボンを脱いで改めて裂けた部分を見てみると、ははは、こりゃ結構逝ってしまわれておられる。



幸いなことに布が裂けたわけではなく、縫い目が「びりー」となっただけなのでジョエル、



縫うことにしました。貧乏性だねえホント。まち針二本使いでないと縫い目が整わないほどの大きな裂傷。

30分後、



無事に縫い終わりました。糸はダブルのまつり縫い。縫い始めと終わりは、何重にもまつって強度を増します。

なんだか、こういった基本的な家事が出来てよかったなあと。炊事洗濯裁縫が出来れば、とりあえず一人暮らしで苦労することはほぼないです。ただ、周りを見渡すと案外そういった事が出来ない男子が思ったより多くて。

以前出演した舞台の話。劇中で「炊きたてのご飯」を使うシーンがあり、小劇場公演ゆえ、そういった消え物などの小道具も役者で準備しなくてはなりません。で、小屋に入ってから場当たりをし、「そのシーンに間に合うよう炊飯の準備が出来るのは誰か?」となり、ある男性俳優さんが適任者だったのですが、その話を振った途端、

「俺に米なんて炊けるわけないだろう!」とブチ切れられた事がありました。

え…。別に「始めチョロチョロ、中パッパ」とかそんなスキルを求めているのではないのに…。三合のお米を研いで、いや無洗米だった気もしますが、それを釜に入れて水を入れてジャーにセットしてスイッチポンだろうに。とにもかくにも、そんな事すら出来ない人がいるんだと、小さな頃から鍵っ子で色々なことを一人でやらなくてはいけなかった僕からすると、かなり意外なことでした。結局その米は僕が炊いたのかな。忘れましたけど(笑)

本番直前、まだ衣裳の縫い物が終わってない時もありました。もちろん協力しました。ある男性俳優は「そんなの俺の仕事じゃない」と拒否したらしいですが。

「芸は身を助ける」ではないですが、なんやかや、色々なスキルを持っているのは別段悪いことではないと思うのです。といってそれがその後の仕事に繋がるかっちゅうたら別問題ですけどね。「あいつ裁縫できるから」より「あいつ芝居できるから」の方が当然の様にヒエラルキーが上の世界。カメラには映らないけど「机の引き出しに何も小物が入ってない!リアリティがない!」とブチ切れて撮影を止める様な俳優さんは、僕は好きではないですけどね。

ではまた。



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ontology.317(ハヅキ一週目)


八月某日 document.7

「コバ・ジュン曲聴ク誰想フ」



【↑ふーちんギドのおふたり(^o^)】

コバ・ジュンです。

忙しながらも、なんとか現実世界に追いつこうと日記を書く日々。ようやっと一週間前まで辿り着きました。

先々週の土曜日、青山にあるライブハウス「青山月見ル君想フ」まで、ふーちんギドのNewアルバムリリースライブに行ってまいりました。





ふーちんギドというのは、ドラムス&鍵盤ハーモニカのふーちん、そしてチューバ&足で弾くキーボードのギデオンさんの二人組。
ちょうど1年くらい前かな。初めてお二人の演奏をライブハウスに聞きに行き、そのあまりのヘンテコさ、そして面白さに実に興味を持った覚えがあります。
(そのライブの様子はコチラから)

外苑前駅を降り、ギンギンな日差しが照りつける中、ライブハウスに着きます。あら、なんかとても素敵な場所なのね。ほどなくして、見知った顔がちらほら集まってきまして、さらには初対面ながらも「おお!あなたはあの!」という方まで集まってきまして、しばしご歓談。

会場に入ります。1F、2Fの作りですが、2Fはロフト的な感じ。メインは1Fですが、50人も座れば満席になってしまう感じです。入場整理番号が30番台だったので、なんとか1Fの席を確保。ビールを頼んで開演を待ちます。



演者が入場し、ライブがスタート。毎度のことながらふーちんのドラムには驚かされます。普段、なんだか「ほんわか」した女性なのですが、いざ演奏となるとめっちゃテンション上げまくりで。ドラムを叩きながら鍵盤ハーモニカも同時に弾くので、「凄い」を通り越して「笑っちゃう」のですよ。「なにこれ〜!?」的な具合に。
そこに絡むギデオンさんも、チューバを吹き、足で鍵盤を弾き、さらにはチューバの胴体部分を叩いてリズムを取り、さらにはコーラスまでするという、一人何役!?的な演奏が続いていきます。

今現在に、かつてTXで放送していた「タモリの音楽は世界だ!」があれば、絶対に呼ばれたであろうお二人。ヘンテコなの?素敵なの?が素晴らしい具合に同居した、とにかく楽しめるバンド。

一部終了後には、こぐれみわぞうさんによるDJタイムもあり。これがまた超ナイスな選曲でして。「ああ、DJのお仕事ってこういう事なんだあ!」と齢40半ばにしてようやく知れたわけで。だって買う気のなかった食べ物まで注文してしまい、お知り合いに振舞ってしまったくらいですもの。そのっくらいノレて楽しかった!



ライブも後半。今回発売するアルバムに入っている曲を演奏しながら、宴も終了時間が近づいてきます。するとふーちん、おもむろにステージ奥に立てかけてあったウォッシュボードを手にし、ギデオンさんもあの重そうなチューバを抱えて、ステージ下に降りてきてくれました。会場を練り歩くお二人がこれまた楽しそうで暑そうで(笑)。



ラストは、ジミヘンの「Fire」で締めくくっていただきました





リズムというのが根本としてあり、メロディ自体が少なくとも、「あ、これ楽しい…」と感じる事ができるのが、ふーちんギドの一番の魅力だと思います。太鼓と低音のみで、「わ、広いところにいるのかな今」と思った瞬間、そこには底の見えないふーちんギドの魅力がわんさかと…。

ふーちんギド「Young And Finnish」


ではまた。


八月某日 document.6

「君がいた夏は遠い夢の中」



【↑阿佐ヶ谷の七夕まつり】

コバ・ジュンです。

「いつまで書いとるんじゃーい!」とのプレッシャーを受けながらもの大阪旅行記をやっと終え、本日よりリアルタイムの日記を書いていきますよ。と言いつつ、本日はちょっと前の舞台観劇を書いていきますよ、すいません、本当に書いてる時間がなくて。


先日、お知り合いが出演する舞台「夏祭り、あとの祭り」を、阿佐ヶ谷まで見に行ってまいりました。初日。団体も小屋も初めて。

駅を降り立つとパールセンターには七夕のディスプレイが飾られており、お祭り感が増していきます。

阿佐ヶ谷アルシェ着。「浴衣割引」があることにより、浴衣姿の方もちらほらと見かけます。その中に「まるで呉服屋の若旦那」風なめっちゃ着こなしが素敵な男性がいて、ついつい見入ってしまいました。

さて芝居。どこかの町の夏祭りイベントを舞台にし、若い運営委員会、イベント出演予定の地下アイドル、毎年祭りを楽しみにしているOL達、テキ屋のおっちゃんなどを交え、様々なトラブルが起こりつつ、それを乗り越えながらもまた新たな問題が…というのを下地としたスラップスティックコメディ。俳優陣の個性的なキャラクターもさることながら、「夏祭り」を強く感じさせる作り、危ういアドリブ、メタ的な視点多しなど、存分に楽しめる作りとなっておりました。小さな小屋でお好み焼きソースの匂いをあそこまで感じるとは思ってもみなかったなあ。

劇中、前述の地下アイドルのイベントシーンで、懐かしきJITTERIN’JINNの「夏祭り」がかかります。出演者総出、しかも全員が浴衣姿で踊りまくるその姿は、まるでこちらまでお祭りの参加者なのではないかと思わせるほど、一体感がありました。人間が理解し得る音楽の根本にあるのは「リズム」。心震えるほど楽しいシーンでした。

このユニットの方針として、終演後の出演者との面会がないということでしたので、見終えたそのまま劇場を後にします。パールセンターでは七夕ディスプレイの撤収作業が行われていたりして。「祭りのあと」感がさらに増します。まぁビール飲みたくなるよね。ローソンで買ってぐびー。



舞台を見終えて思った事。

ボクはあと何回こういった夏を迎えられるのだろう。一年に一度、必ず夏はやってきます。生まれてから44回目の夏を過ごしています。暑いけれども、どこか楽しいんですよね。お祭りや音楽フェス、その他にも外に出て楽しむ機会がたくさんあったりして。楽しいは楽しいのだけど、もうそんなにこれから何度も経験する必要もないかな、とか思ってしまったりして。今までの楽しかったこと、それが「思い出」としてあれば良いかな。なので、あと一、二回くらいでもう良いです。この先、そんな楽しい事なさそうですし。


君がいた夏は、遠い夢の中


そういった感覚を大事に、忘れないように、それこそが今の自分に必要なことなのだと思います。思い出をたくさんくれた皆様にありがとう。


ではまた。


八月某日 document.5

「大阪遠征其の陸〜サラバ大阪!また会う日まで編〜」



【↑通天閣を前にして】

コバ・ジュンです。

前回までのあらすじ
「女王、小春のアコーディオンソロライブを見て夢心地なボクは、気付けば新幹線の発車時刻が迫っているのにも気付かずに新世界で串カツ食べていた!慌てて店を飛び出るも、そこは勝手が違う見知らぬ世界…。『ボク、今日中に横浜に帰らなければいけないんですけど』と問うも『なに言うてんねん、儲かりまっか、さっぱりわやですわ!』と返される始末。ああ、もう間に合わない!」


小春ライブを終え、新世界に移動します。…って、あぁ、これは前回書いたか。とりあえず目に入る大きな串カツ屋に入り、ファンの皆様と飲みながらしばしご歓談。カウンター席だったので、思った様な交流ができなかったのが残念ですが、「まぁまたそのうち会えるし!」と思うことによりすべて良し!です。



気付けば時間は17時を回っています。新大阪発東京行きの新幹線は18:50発。少しの余裕を持ってと思い、早めにおいとまいたしました。ここからだと、新大阪へは御堂筋線で「動物園前」駅から乗るのが一番早い。も、迷う(笑)しかしグッドタイミングでチャリに乗った警官がいたので「すいません!動物園前にはどういったら?」と聞くも、「え〜と、すいません、私、隣りの天王寺所轄でして…」と訳わからん回答。警官だったら所轄外の駅くらい覚えておけよボケェ!

しかしここはコバ・ジュンの勘が冴えわたります。車道を強引に横断し、ガード下をくぐったらまぁなんと無事に動物園前駅に辿り着き、新大阪へ向かいます。あら、割と距離あるのね。来た時はそうでもなかったのに、帰り、そして時間制限があると長く感じます。

無事に新大阪着。でも、まだボクにとっていくつかのイベントが残っています。それは、

「先日スイス土産をくれた隣りのTさんにお土産を買う」
「僕の代わりに休みなしで働いてくれたSさんにお土産を買う」

というふたつのプロジェクト。まずはTさん宛て&自分用として、大阪と言ったらコレ「551蓬莱軒」の豚まんを買います。買おうとします…。

なんじゃこの列は〜!!!!

めっちゃ並んでいます。そりゃそうだよなあ。皆ここで買うよなあ。僕の前にはまだ10人ほどの列。新幹線発車時刻が徐々に迫ってきています。しかしここでお土産を買えなければ、ラストの〆として示しがつかない!頑張れレジのお姉ちゃん、頑張れ餡を詰めてるお姉ちゃん!時々作業所の子と目があったりして、少しドキドキ。衛生上の観点から、全身白づくめマスク着用、なんだけど、目だけが出ている。「キロッキロッ」と目まぐるしく動く眼球。ちょっと興奮してしまいました。

なんとか無事にすべてのお土産を買えたのですが、気付けば発車5分前。ぐはあ!俺の乗る電車は何番ホームじゃ!?なんと23番ホーム!それってどこじゃあ〜!!!

ホームに着いたのは発車5分前。もう少し手間取っていたら確実に間に合わなかったですな。「こだま682号」が入ってきたので、乗り込みます。

喫煙車を予約していたので、スパスパ煙草を吸いまくります。しかし灰皿が見当たらない。
「なるほど。世の嫌煙ブーム。それに合わせて、いかに喫煙車と言っても、灰皿は用意していないんだなあ」と納得します。なので自分の携帯用灰皿にて吸い殻を捨てます。

4時間の旅。ようやく新横浜が見えてきました。っとその前に、トイレに行こうと席を立つと、皆が煙草をスパスパ吸うも、携帯灰皿などは使ってない模様。あれ、皆さんどうしているのだろう。床に捨てたり…ってそんなわけはないか。ん?その肘掛のところに見えているのはなんだ?



げえ!こんなところにあったのかよ!あったのかよ!こんなの気付かないよ。JRさん、ちゃんと教えてくれなアカンよ。小田原でやっと気づいたよ…。

23時、新横浜着。ここからはJRと京急を乗り継いで1時間弱で帰れるな〜と思ったのも束の間、京急が人身事故で止まっており、別な路線で帰らないかん始末。とりあえず横浜駅まで来たは良いものの、京急が動く気配がない。仕方なく市営地下鉄に乗り換えるも、当然の如くむちゃ混み!ただでさえ匂いテロの「551」を持っているのに、これが潰れてしまう様な混雑っぷり。すいませんすいません。

上大岡駅まで着き、そこからは京急が動いていたので乗車。こちらも混んでる。ようやく金沢文庫駅に着いたのは、てっぺん超え。まだバスはあるも、これだけの疲れと大荷物を抱えて乗り合いなんて選択肢は一切ない。というわけでタクシーに乗り込み、VIP気取りでなんとか自宅まで帰ってきたのでした。

18:50に大阪を出て、ほぼ6時間もかかってしまった今回の帰路。ああ、「のぞみ」やら「ひかり」にすることが出来たならば、もっと早く帰ってこられたのに。お金がないって罪ね。

とりあえず自分用にも買った551を蒸して食べます。うわぁ、やっぱり美味しい。この餡の味はどうやって出すんだろ?ふっくらとした皮とも相まって、最高のお味でございました。



たった一泊二日の旅でしたが、実に楽しかった。芝居、ライブもさることながら、遠く異郷にての移動、宿泊、皆様との会合、そのどれもが至福の時間。かつては旅を頻繁にしていたボクですが、ここ数年はとんとご無沙汰だったので、相当なリフレッシュとなりました。やはり人間色々と旅をしないといけんよ。

「帰る家がある間は、旅を続けなさい。待ってくれている人がいる場合も、旅を続けなさい。あなたが旅をすることによって、誰もが幸せになれる可能性を持つのですから」
(アーネスト・ヘミングウェイ)



うそ!ごめん!ボクが今さっき思いつきました!(笑)
これにて大阪遠征日記終了。引っ張り過ぎてしまってごめんなさい。忙しいってイヤね、あははは。また遠征するぞ!


ではまた。


八月某日 document.4

「大阪遠征其の伍〜女王の宴編〜」



【↑女王のステージ】

コバ・ジュンです。

前回までのあらすじ
「お知り合いの写真展を見に行ったコバ・ジュン。『異界へ』と表されたその展覧会は、ボクの心を存分に撃ち抜いた!写真というのはたまたま撮れたものではなく、撮ろうと思って撮るものだ。あまりの衝撃にふわふわしたまま、気付いたら新大阪駅まで戻っていた!帰るつもりになっていた!果たして15時の開演に間に合うのか…ッ!?」


間に合いました。再度「恵美須町」駅に降り立ったボクは、昨日の会場と同じ日本橋インディペンデントシアター1stへと歩を進めます。



相変わらずのスラム街の様相。そして本日の目的はこちら。



街のすみ、裏通り、知らなければ通り過ぎてしまう様な場所で、本日のライブは行われるのでした。

その前に、ちょっと新世界を堪能。通天閣にも登ろうとしましたが、ロープがないので間違えた時間がないのでそれは断念。とりあえず串カツとビールを流し込むだけに留めます。





会場に入ります。昨日と同じ感想で「狭っ!」。受付時にチケット予約表をチラ見すると、4~50名しか入らない模様。運良く3列目を取れましたが、正直どこでも多分一緒(笑)、どこでもリングサイドです。

ボクの席から撮ったステージはこんな感じ。



ご存知の方もいると思われますが、チャラン・ポ・ランタン姉の方、小春。現在Mr.Childrenのライブサポートメンバーもしておりまして、その超絶アコーディオンで先日の日産スタジアム2daysでも活躍しています。ウン万人の前で演奏している人が、こんなカルトな小屋で演奏し、それを聴けるとは、なんて贅沢。至高、そして究極。雄山も山岡さんも驚きですよ。「究極vs至高」は、大体が先に料理を出した方が負けですよ。

開演します。軽妙なMCとアコーディオン演奏で、観客の一体感が増していきます。セットリスト的には昨年12/25に浅草5656会館で演じたものとほぼ同じでしたが、そこに新曲を交えてきたり、質問コーナーを設けたりして、飽きさせない作り。その質問コーナーに於いて、問い&解答で白眉だったのは、「アコーディオンの蛇腹を引く際と縮める際で音は変わるのか?」というもの。アコーディオンって、でかいハーモニカみたいなものなのですよ。ハーモニカは、吹く時と吸う時で音が違いますよね。でもアコーディオンはどちらも一緒だそう。蛇腹を引いても縮めても、同じ音が出るそうです。ライブ中、ステージ上に置かれた何台もの歴代アコーディオンを取っ替え引っ替え弾いていく小春とともに、益々アコーディオンに興味が湧くのでした。

新曲が実に面白かった。ファミレスなどでダベってるイマドキの若者を、若者言葉を使って歌った曲。「♪あーら、しっちゃらめっちゃら、わらっちゃうやら、ばいやいやいやい」みたいな。すいません、ニュアンスで察してください。だって何言ってるか分からないんだもの。

先ほども書きましたが、何台ものアコーディオンを変えて演奏する小春。印象深かったのは、アコーディオンを持ってる時は「いつもの凄い小春」なんです。が、ひとたびアコーディオンを取り替える際に「楽器を抱えていないそのままの姿」になると、とても華奢で小さくて可愛い女の子になるんです。「小っさ!」と思ってしまうくらいに。でもそのギャップがまた面白くて。

2時間のライブ。女王の宴。近いが故に「カタカタ」と運指の音まで聞こえる濃密過ぎる空間。「俺は今ここにいて良いのだろうか?」と自問自答さえしてしまうほどの。良い音楽は本当に良い。昨日の舞台、そしてこの日の演奏。「このために大阪行きが用意されていたのだ。いつとは知れずに」。最強姉妹はまたボクの心に大きな爪痕を残したのでした。



気付けば帰りの新幹線の発車時間まで2時間弱。といって、せっかくのファンのお仲間さんと会えたのに帰るのはもったいない。というわけで再度新世界の串カツ屋になだれこみ…。

コバ・ジュン、無事に帰れたのか!?新幹線に乗れたのか!?続きは次回「大阪遠征其の陸〜551と五分編〜」で!


ではまた。


八月某日 document.3

「大阪遠征其の四〜異界へ編〜」



【↑ギャラリー到着】

コバ・ジュンです。

前回までのあらすじ
「『本物だった、本物だった、本物だった!』
スラムさながらの街に舞い降りた天使が魅せるその演技に、「矢吹丈vsウルフ金串」戦を見た直後の力石の様に、コバ・ジュンは驚愕したのでした。3月の舞台はブラフではなかった。あれはやはり本物だった…!気付けば大阪一日目の夜はとことん更けてゆき、ダブルベッドの悲しそうな嘆きを耳にしたのでデリヘ(以下略」


さて、前回書き忘れたのですが、「新人猫系アイドル」さんと写真を撮った直後、何を血迷ったかボクは、その写真を受け取らずに帰ろうといたしまして、新人猫系アイドルとそのマネージャーに「ちょっとちょっと!これ貰ってって!?」と呼び止められ、ギャラリーに爆笑されるという大失態を犯し、「俺、何しに来たんだ!?」と自分ツッコミをして、ようやく笑いに変換できたという…、ああ、こういうスキル別にいらない。

明けて大阪二日目。本日は姉・小春のアコーディオンソロライブ。早朝、部屋のテレビを付けてみると、いかにも大阪!な番組がやっていて最高でした。さらにはシュールでおなじみ「関西電気保安協会」のCMも見られたしね!♪かーんさい、でんき、ほーあん、きょーかい



宿を11時にチェックアウトしてから、開演の15時まで時間は十分にあるので、ならば大阪観光!…ではなく、お知り合いの俳優、「岡村まきすけ」さんが写真展を東大阪で開いているということなので、観に行きました(^o^)

さて、その岡村さん、舞台では三回くらい共演したのかな?付き合いが長く良い意味で覚えていなかったりもするのですが、いいヤツなのです。楽しい男なのです。

谷町四丁目から谷町線で谷町九丁目へ、そこから千日前線で鶴橋へ。その鶴橋からは近鉄奈良線に乗り換え、目的地の瓢箪山駅への行程。

うはっ!「読めない駅名」として良く出てくる「喜連瓜破駅(きれうりわり)」はこの路線だったのね!



鶴橋駅に着きます。余談ですが、この「鶴橋(つるはし)」。関東人の感覚ですと、あの道路工事などで使う「ツルハシ」を思い浮かべ、アクセントもそれ(つる↑はし)なのかなあと思いますが、近鉄奈良戦のアナウンスによれば、「つ↑るはし」みたいです。

ローカル線に揺られ、目的地へとのろっのろと旅を続けます。途中、ラグビーで有名なあの「花園」を通ったりして、旅をしてる感覚が増幅されます。さらにはムームーを着てるおばちゃんが乗ってきたりして関西感増幅。すげえなここは。

「瓢箪山」駅着。

わーお、ホームでタバコ吸えるのかい。



Google Mapによれば、駅からの商店街を突っ切ったところに、写真展示のギャラリーがあるそう。ならばここぞとばかりに、大阪の町を堪能しようではないの。









ああ、俺が求めていたのはこれなのだ。これこそなのだ。中国人がやかましい声で繁華街を闊歩する声ではなくて、「にーちゃん、これなんぼ?」という声がそこかしこから聞こえて来る、この町こそが理想だったのだ。

ほどなくして、ギャラリー着。



引き戸を開け、中に入ると「あれ?ここは居酒屋?」どうやらその奥、そして階段を上がった2Fがギャラリーになっているそう。冷たいお茶を頂き階上にあがります。

「異界へ」

それが写真展のタイトル。岡村さんと、このギャラリーのオーナーである「石黒興作」さんの写真が展示されています。
木造の急な階段を登り、二階へ。四畳半のスペースに飾られた写真。街を撮った写真。ある風景を撮った写真。しかしどこか非現実的な趣も感じる写真…。

その異次元さに圧倒され、しばらくの間魅入ってしまいました。

階下に降り、オーナーの石黒さんとお話をする機会を得ました。ここでそれを述べることはしませんが、非常に共感出来るお話で、さらには一階に飾られていた写真の圧倒的な迫力により、この展示が何を現しているのか、どういった意味を持ちこれらを展示しているのかが強く強く伝わってきたのです。写真とは「結果ありき」だと思っていたのですが、その結果に至るまでの何かが見えてくるからこそ、「写真」というのが有り得るのだなぁと実感。非常に面白い体験でした。

短い間でしたが、有意義な時間を過ごせました。そしてまた先ほどの商店街を通り瓢箪山駅へ戻ったのですが、その行程は来た時と真逆の「商店街を逆に歩いてみる」。
何だこれ面白れー。さっきとは全然違う景色になるじゃねーの。人の背を追うから、人の顔を追う。すべてが違って見える世界。これこそがボクにとっての「異界」なのかな。

ふわふわとした感触を始終味わいながら、気づけばまた日本橋へ。「異界」を堪能したのちに、またさらなる「異界へ」。アコーディオンソロライブなんて、「異界」以外の何物でもない。しかも大阪の小さな、50人入るか入らないかの場所で。この旅は一体なんなんだ、なんだったんだ!

そしてボクは1vs50という、言うなればカルト的な、それでいて実は大衆的な、一人の女の子が弾く楽器の世界へと吸い込まれていくのでした。


ではまた。


(つづく)


八月某日 document.2

「大阪遠征其の参〜街角の天使編〜」



【↑フライヤー】

コバ・ジュンです。

前回までのあらすじ
「家康をdisった呪いか、体中に矢が刺さったかの様な痛みをひきずり、何とか劇場前までたどり着いたコバ・ジュン。しかしそこで見たのは、NYのダウンタウン、果てはアムステルダムかと思わせる様な街並…。迫る黒人、傾く天秤、這うサソリ!果たして俺は生きてここから出ることが出来るのかッ!?」


本当にここであっているのだろうか?と思うも束の間、建物から見知った顔が出てきました(笑)お知り合いの皆様でホッと一安心。あらあらご無沙汰してます、どーもどーもーとご挨拶。開演までしばし時間があるので少しご歓談。その後調べたら知り合いと隣りの席だったのはご愛嬌。

劇場内に入ります。狭っ!中野MOMOよりは確実に小さい。Iくんが教えてくれた「OFFOFFみたいです」という情報に誤りはなかった。どちらかというと阿佐ヶ谷系列の小屋に近いかな。昔懐かし大塚ジェルスホールを思い浮かべてもらったらそこが正解。

席はE列。でもF列までしかないので、どこでもリングサイドみたいなものです。ふと後ろを見ると、映画監督で、今回の舞台の演出でもある酒井麻衣さんが座っておられました。そして開演。

チャラン・ポ・ランタン もものひとり芝居
『あのさ、生まれ変わったら』

いやあ。うん。やはり凄いわこの子。前回も初日。今回も初日。忘れていた光景を補完するかの様にひとつひとつじっくりと観させてもらいます。前回も今回も「良いなあ」と思ったのは、相手を見る時の目線。ひとり芝居なので当然相手は舞台上にいませんが、目線でその相手が確かに存在するんです板の上に。オムニバス形式なので、「彼」を見る目線もその度に変化します。三話目では、「実際にまだ見ていない彼」を見る芝居をするのですが、観客にも見えていない彼を見る目線が見事にそこに存在していました。

ラストの演出が少し変わったかな?と思いました。前述の様に「初日」&「初日」しか見ていないので、どこで変化をさせたかは不明ですが、そこは初演の方が良かったかな、とだけ記しておきます。

トリプルコールを終えたあと、劇中で登場する「ドッコイレコーズ所属の新人猫系アイドル」との撮影会がありました。まぁ参加するよね(笑)

それは置いといて、大阪まで遠征した甲斐がありました。「ガラスの仮面」さながら、なんとしてももう一度見たかった舞台。無事にチケットが取れ安堵した次の瞬間、東京でも再演やることが決定し、「なんだこりゃ?」とも思いましたが、今思えばそれは間違いで、こんな良い舞台、何度でも観たいのです。チャランポ好きとかそういうのを抜きにして、です。刺激を受けたし衝撃だったし24歳の小娘に負けてられるか!との思いもありましたし。


なので、芝居をしている人達にはぜひ見て欲しい舞台。以前「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見た女優さんが「歌手に負けてるあたしはなんなんだろう」的なニュアンスで話してくれたことがありました。そうです。表現なんてぇものは誰がやっても良いんです。お客様にどれだけ印象を残せるかが勝負。歌手でも俳優でもお笑いタレントでも、その日その場にお金を払って来てくれたお客様に対し、どれだけのものを見せてくれるかなのです。


恵美須町駅から堺筋線、中央線と乗り継ぎ「谷町四丁目」へ。とりあえず宿に入って荷物を置いてゆっくりしたい!と思うほどの体調不良は続き、宿近くに恒例の「テング酒場」を見つけるも、



すまん、今は無理!とスルーしたのでした。
その後お知り合いから「心斎橋で飲んでるよー」とのお誘いがあるも、そちらも残念ながらスルー。入ったホテルがなぜかダブルベッドで、



色々考えましたが、まぁそれは良い。とりあえずは少しだけ仮眠をすることにし、23時に一度起床、宿近くの居酒屋で遅い夕食をとったのでした。



貴族特典のおみやげ色紙、



あと、これはupするかどうか相当迷ったのですが、まぁ記念なので。
この日記を読んだ方にしか見られない貴重な写真なのだぜ。



そんなこんなで大阪一日目の夜は更けていきました。明日は姉・小春のアコーディオンソロライブ、そちらも楽しみだ…。おやすみなさい…(ぅω-`)


(つづく)


八月某日 document.1

「大阪遠征其の弐〜電気街の悪夢編〜」



【↑なんだここは…】

コバ・ジュンです。

前回までのあらすじ
「新幹線で大阪へと旅立ったコバ・ジュン。隕石が落ちてきたり、キスを見せつけられたり、黒医師ギルドの攻撃を受けるも、何とか新大阪駅到着。しかし車内から続く気分の悪さが、暑さと湿度で増幅される…ッ!」


堺筋線「恵美須町」の駅を降りて地上へ出ます。関西の方はご存知かもしれませんが、ここは日本橋(にっぽんばし)のど真ん中。日本橋と言えば「西のアキバ」とも言われる様に電気街の街なのであります。道筋が縦横整然と整備されているため、アキバほどごちゃごちゃした感じもなく、今自分が何処を歩いているのかがとても解りやすいのです。京都もそうですよね。「京」ならではの碁盤の目の如くきっちりと整備された街並み。

それに引き換え東京はというと、かの東照大権現徳川家康が「城攻められたらやばくね?」と思っちゃって、城を守りやすい様「環状線型」に街道を作ってしまい、もう解りにくいったらありゃしないし、それにより現代では交通渋滞まで巻き起る始末。でも渋滞が起こるイコール、「攻めにくい都市」の建設には成功したわけで、「さすがは家康!」と、なるかバカヤロー!東京メトロに乗る、地方の皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。

余談が長くなりました。で、恵美須町駅から劇場までは徒歩1分。「日本橋インディペンデントシアター1st」という小屋。もちろん行った事のない場所なので、雰囲気がまったく分からず、SNSで「どんな小屋?どなたか知ってる方HELP!」と聞いたところ、今は京都で俳優として活躍している劇団時代の後輩「Iくん」から返信がありまして「シモキタのOFFOFFみたいな感じですよー」とのこと。なるほど、ということは中野MOMOよりタッパもないし、より濃密な空間というわけだな?楽しみ楽しみ。

それより、だ。

具合が悪いのです。胃がムカムカとし、頭はクラクラ、多量に流れ出る汗は、暑いからなのか、体調不良による冷や汗なのか、はらはらなのか、くそう、今からずっと楽しみにしていた舞台を観るのに、なぜこんなにも体調悪いのだ(それは昨晩飲み過ぎたから)。

ちなみにですが、新大阪駅のコンビニで「液体胃腸薬」を一本飲み、さらには日本橋に着いてからもコンビニで同じ様な胃腸薬を一本空けています。生薬配合、頑張ってくれ!俺の胃壁!

開演までの一時間、とりあえずどこかで涼もうと、目に入った喫茶店に入ることにします。タバコも吸いたかったし。



こんな状態でカフェインを飲んだら、さらに悪くなってしまうことが明らかだったため、「ととと豆乳ラテください」と、体に優しそうな飲み物を注文します。噛んでしまったのは、普段そんなの飲まねーからだよ!(笑)「M/L」も何て表現して良いか分からなくて「小さい方」と頼んだよ!

開場時間が近付き、喫茶店をあとにした僕は、一路劇場へと向かいます。すれ違う人の口から聞こえてくるのは「おお!本場の関西弁!」ではまったくなくて、中国語ばかりでした。ホント笑っちゃうほどに。現在、東京の銀座でも同じ様な現象が起こっていますが、あまりのことに「日本、大丈夫か?」と真剣に考えてしまいました。

無事に劇場前に着きます。着きます…。

え。



なんだここは。

スラム街か。yo,yo,yo,hey,menか。電気街から一歩裏通りへ足を運んだボクを待っていたのは、首からチェーンを巻いてズボッとした服を着たイカつい若者が「yo,yo,yo,嫁、Hola,Hola,嫁,フマキラーついてるよ?」とでも絡まれそうな所なのでした。

(つづく)



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